「不動産屋しか見れないサイトを見る方法は?」
こんな疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、不動産会社で賃貸情報を掲載する仕事をしていた私が、不動産屋しか見れないサイトを見るとっておきの裏ワザを紹介します!
これさえ読めば、部屋探し成功の第一歩を踏み出せるでしょう。
もくじ
不動産屋しか見れないサイトがある理由
不動産屋しか見れないサイトとは、「レインズ」と「ATBB」という2つの不動産情報データベースサイトを指します。
いずれも不動産会社間での物件情報の共有を目的としているため、一般の方がこれらのサイトを閲覧できません。
賃貸物件が公開される通常の流れは、おおよそ次の図の通りです。
- 貸主(大家さん)が不動産会社(管理会社)に物件を管理委託
- 管理会社がデータベース(レインズ/ATBB)に登録
- 不動産会社(仲介会社)がデータベースで検索した物件を不動産情報サイトに掲載
- 不動産情報サイトで借主(入居希望者)が物件を見る
このような通常の流れでは、物件はSUUMOやアットホームなどの不動産情報サイトに掲載されます。
ところが、貸主(大家さん)が「不動産情報サイトに載せないでください」と管理会社に指示すると、不動産屋しか見れないようになります。
このような指示付きのケースでは、不動産情報サイトに掲載できないので、一般の方はその物件をネットで検索して見ることはできません。
とはいえこうした物件は、あるサービスを経由すれば見られます。
そこで今回は、「レインズ」と「ATBB」を見るとっておきの裏技をご紹介していきましょう。
レインズは不動産流通機構が運営する不動産業者専用のデータベースシステム。
ATBBは、アットホーム株式会社が運営する不動産業者専用のデータベースで、一般には公開されていない物件情報が登録されています。
不動産屋しか見れないサイトを見る2つの方法
未公開物件は「レインズ」「ATBB」といった不動産業者専用のデータベースにしか載らないので、通常は一般の方が閲覧できないとお伝えしました。
でも、実は特定のサービスを使えばカンタンに見られます。
そのサービスは「イエプラ」と「不動産ジャパン」です。
これら2つのサービスで、本来は不動産屋しか見れない物件を探す方法を詳しくご紹介します。
方法1|イエプラでATBBの物件を探す
イエプラは賃貸情報サイトに載っていないATBBの未公開物件が見られるサービスです。
イエプラに登録すると、誰でも「ATBB」にある物件情報が見られるようになります。
無料登録すれば、メールで「ATBB」のID・パスワードの設定画面とログイン画面のURLが送られてきます。
IDとパスワードを設定してURLにアクセスすると、すぐに物件が探せます。
なお、以前は「ATBB」から「レインズ」には物件登録が連携できましたが、現在はATBB経由でレインズに情報を載せられなくなりました。
なので、ATBBにある物件はレインズにはない可能性もあるのです。
不動産屋しか見れない情報を見たいなら、ぜひ登録しておいてください。
登録は無料。スマホでLINEが使えれば、個人情報を入力することなく利用できます。
まず、イエプラ公式サイトにアクセスして「LINEでお部屋探しを始める」ボタンを押しましょう。
LINEアプリの画面に移るので、友達追加をしましょう。
PCの場合はQRコードが出ます。スマホで読み取ってください。
方法2|不動産ジャパンでレインズの物件を探す
直接的にレインズを見る方法はありませんが、間接的に見る方法はあります。
そのためには「不動産ジャパン」を使いましょう。
「不動産ジャパン」は、全国の不動産業界団体に加盟している会社が物件情報を掲載しているサイトです。
「ハトサポBB」や「ラビーネット」といった不動産業界団体のデータベースに物件を登録すると、自動的に不動産ジャパンへ情報が掲載される仕組みになっています。
業界団体のデータベースに載せた物件は、レインズにも同時に載せられます。
そのため、不動産ジャパンを利用することで、レインズに掲載されている物件情報を間接的に見られるのです。
不動産ジャパンは、レインズを運営している「不動産流通推進センター」が管理しているサイトでもあるので、レインズにある未公開物件以外の情報はほぼここにあるといってもいいでしょう。
無料で掲載できるため、広告費を極力使いたくない小規模の不動産会社は「不動産ジャパン」のみに物件情報を集約させます。
公益財団法人が運営しているので情報の信頼性が高いのに、業界関係者以外には知名度が低いため、実は穴場のサイトです。
使い方はカンタン。「不動産ジャパン」にアクセスして「借りるトップ」をクリック、「マンション・アパート」を選択してお住まいの地域から絞り込むと、物件情報を検索できます。
タイミングによってはレアな掘り出し物が見つかるので、これから部屋を探そうとしているなら積極的に利用しましょう。
不動産屋しか見れないサイトで物件を探す3つのメリット
不動産屋しか見れないサイトを使って物件を見つけるのはめんどくさいと感じるかもしれません。
スーモやアットホームのような物件がたくさん載っている情報サイトを使って探すほうが確かに楽ではあります。
ただ、不動産屋しか見れないサイトには次の3つのメリットがあります。
- ライバルを避けて物件を探せる
- 掘り出し物の物件に出会う確率が高い
- おとり物件に引っかからない
詳しく見ていきましょう。
メリット1|ライバルを避けて物件を探せる
不動産屋しか見れないサイトを利用する最大のメリットは、一般の物件検索サイトでは競合が多い中、ライバルが少ない環境で物件を探せることです。
これにより、希望に合った物件を早期に見つけ、競争を避けることが可能になります。
メリット2|掘り出し物の物件に出会う確率が高い
不動産屋しか見れないサイトには、一般の不動産情報サイトには掲載されていない希少価値の高い物件が多く存在します。
そのため、通常の探し方では見つからない掘り出し物の物件に出会う確率が高くなるのです。
メリット3|おとり物件に引っかからない
不動産屋しか見れないサイトでは、おとり物件が存在しません。
おとり物件とは「すでに募集を締め切った物件」「募集していない物件」を指します。このような物件は、申し込んでも入居できません。
不動産屋しか見れないサイトは、不動産会社間での物件情報の共有を目的としているため、不動産会社に損害を与える嘘の情報を載せないよう管理されています。
なので、おとり物件は排除されていると言っていいでしょう。
不動産屋しか見れないサイトでの物件探しでおさえておきたいポイント
不動産屋しか見れないサイトを使って見つけた物件が優良な物件なのかは、一見しただけではわかりにくいものです。
そこでここからは優良な物件に出会うためのチェックポイントをお伝えします。
物件情報の検索時に確認するポイントと、見学前に不動産会社の担当者に確認しておくポイントの2つに分けてご紹介しますので、ぜひ押さえておいてください。
物件情報の検索時に確認する4つのポイント
検索した物件情報からチェックしておくべきポイントは次の4つです。
- 1983年以降に建てられているか
- 専有面積を確認
- 水害のリスクを確認
- 近所に学校がないかを地図で確認
1983年以降に建てられているか
築年数を確認して、1983年以前に建てられた物件なら避けるのが得策です。
なぜかというと、1983年以前の物件は旧建築基準法の耐震強度で建てられている可能性が高いから。
1981年6月に改正された新建築基準法で、地震への耐震性が高くなりました。
新建築基準法 | 旧建築基準法 |
---|---|
中規模地震で損傷を受けず、大規模地震で倒壊しない | 中規模地震で倒壊しない |
着工が1981年5月31日までなら旧耐震基準で建てられていることになります。
1981年6月に建てられた物件も、新建築基準法の施行前に旧耐震基準で建築の手続きを申請している場合があります。
申請期間を考えると、1983年以降に建てられた物件を選ぶのがより安全でしょう。
専有面積を確認
専有面積の確認は大切です。
たとえば物件情報をワンルームで絞り込んで検索すると、専有面積が10m²だったり、25m²だったりします。
間取りは同じでも専有面積で大きな差が出るので、具体的な広さがどのくらいか押さえておきましょう。
水害のリスクを確認
河川や湿地のそばでないかを物件の周囲の地図で確認しておきましょう。
面積の広い緑地公園は湿地になっている可能性があるので要注意です。
ついでに地名もチェックしておきましょう。
「沢」「泥」「水」などが付いている地名は過去に水害に遭っている可能性があります。
過去に水害を経験した土地は、地名に特定の文字を含んでいる場合がある。
カワチ(川内)、ナダ(灘)、ウシ(牛)、サワ(沢)、フカ・フケ(深)、リュウ(竜)など
近所に学校がないかを地図で確認
学校が物件の近所にないかも地図で確認しておきましょう。
付近に学校がある物件は、状況により「環境的瑕疵」に当たります。
とくに小学校は校庭で児童が騒ぐとかなりガヤガヤするので、付近は避けたほうがよいでしょう。
日曜日しか昼間は自宅にいないから大丈夫だという方もいるかもしれませんが、運動会があると日曜日でもうるさいです。
また、付近に高校がある場合は、ネットで高校の評判を検索しておきましょう。
迷惑行為があるなど、評判がよろしくなければ近くに住むのは避けたほうがいいかもしれません。
ガラの悪い高校生が集まっている学校だと、近隣ですれ違ったときに絡まれるリスクがあります。
敷金0円の物件を申し込むなら、手数料の欄をよく確認しましょう。
敷金0円の物件は「退去時の鍵交換費用」や「退去時のクリーニング費用」などがとられて逆に高くなる場合もあります。
つまり「敷金」という名目で支払わないだけで、実質的には同じ目的に使われるお金がかかるのです。
ここまでに紹介した4つのポイントでふるいにかけると、申し込むかやめるかが選びやすくなるはずです。
不動産会社の担当者に確認しておく4つのポイント
不動産会社とやりとりが始まったら、質問して確認してほしいポイントをお伝えします。
これらのポイントはメモに書いて担当者に渡してもいいでしょう。
- 事故物件でないか
- トラブルを起こす住人がいないか
- 付近に問題のある施設はないか
- 地盤の危険はないか
事故物件でないか
「事故物件(心理的瑕疵物件)」でないかをまず確認しましょう。
国交省のガイドラインが2021年に改正され、「事故物件」の告知義務が次のように変更されました。
- 取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)については、原則として告げなくてもよい。
- 賃貸借取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死以外の死が発生し、事案発生から概ね3年が経過した後は、原則として告げなくてもよい。
「事故死は原則告知しなくてもよい」「事故死以外もおおむね3年経ったら原則告知しなくてもよい」となったのです。
となると、こちらから訊かない限り告知されない可能性があるので必ず確認が必要です。
付近にトラブルを起こす住人がいないか
アパート・マンションの隣室や、付近の住人に「騒音」や「迷惑行為」などでトラブルを起こす人がいないかも確認しておきましょう。
過去に「住民トラブルの事例」があった物件は絶対に避けたいです。
付近に問題のある施設はないか
付近に以下のような問題のある施設はないかを聞いておきましょう。
付近に工場やゴミ処理場・下水処理場があると煤煙やニオイが出るリスクがあります。
部外者には管理体制の実態がわからないので、後悔しないためにも工場の周辺は避けたほうが無難です。
地盤の危険はないか
物件の所在地が「軟弱地盤」と呼ばれる土地ではないかを確認しておきましょう。
軟弱地盤だと大きな地震が起こったときに液状化や地盤沈下、変形などのリスクがあります。
身を守るため、地盤のゆるい土地に住むのは絶対に避けましょう。
どうやって確認するの?
ここまで紹介したポイントは、物件の問い合わせをした不動産会社に確認するとハッキリします。
とはいえ、どうやって聞いたらいいか迷うかもしれません。
以下のような聞き方をしてみるといいでしょう。
確認ポイント | 聞き方の例 |
---|---|
事故物件でないか | 家賃があまりにお得なので念のためにお聞きしますが、訳ありの物件ではないですよね? |
付近にトラブルを起こす住人がいないか | 入居後の近隣トラブルは避けたいと考えております。こちらのマンション・アパートにご近所とのトラブルを起こした方は入居されていませんか? |
付近に問題のある施設はないか | 近隣に風紀秩序を乱すおそれのある団体の施設や、悪臭を出す施設はありませんか? |
地盤の危険はないか | 地震など災害があったときに液状化や地盤沈下の危険性はありませんか? |
このように聞けば、不動産会社の担当者に何を心配しているか伝わり、角が立つこともないでしょう。
不動産屋しか見れないサイトを見るとっておきの裏ワザ まとめ
今回は、不動産屋しか見れないサイトを見るとっておきの裏ワザを紹介しました。
カンタンにおさらいしましょう。
- 通常は不動産会社間のデータベース「レインズ」「ATBB」から不動産情報サイトに掲載可能
- 貸主(大家さん)の意向によって掲載できないと不動産屋しか見れない
- ライバルを避けて物件を探せる
- 掘り出し物の物件に出会う確率が高い
- おとり物件に引っかからない
この記事を参考にして理想の物件が見つかったらとてもうれしいです。