「賃貸物件を安く借りる方法はある?」
部屋探しにあたって、こんな疑問をお持ちではありませんか?
実は、初期費用は5割引きかそれ以上を目指せるとご存じですか?
この記事では、元不動産会社員の私が「賃貸物件の初期費用と家賃を安くするコツ」を5ステップでお伝えします。
あわせて、そもそも家賃が安い物件もご紹介するので、これを読めばお得に新生活をスタートできるでしょう。
もくじ
【5割引きを目指す】初期費用と家賃を安くする5ステップ
賃貸物件を安く借りるためには、初期費用をどこまで下げられるかがポイントになります。
実は、初期費用は5割引きかそれ以上を目指せるとご存じですか?
不動産会社の多くは、初期費用の「乗っけ(上乗せを意味する不動産業界用語)」をしているので、そこを削減すれば安く借りることは可能です。
家賃や敷金・礼金の交渉ができるかは状況次第ですが、うまくいけばこれらも引き下げされます。
ここでは、初期費用と家賃を安くする方法を5つのステップでご紹介します。
- 申し込む前に見積もりをもらう
- 付帯サービスを断る
- 保証会社を最安に変更してもらう
- 仲介手数料の値下げ交渉
- 敷金・礼金、家賃の交渉
それでは詳しく見ていきましょう。
STEP1|申し込む前に見積もりをもらう
もっとも重要なのは「契約を決める前に見積もりを出してもらうこと」です。
「申し込みます」と言ってから契約日を設定してしまうと、支払う費用が固められてしまいます。
この時点で仲介手数料や賃料の交渉をしても、成功する可能性は限りなく低いでしょう。
なので、先に見積もりを出してもらった上で、不要な費用を削ってもらうよう頼むのがポイントです。
STEP2|付帯サービスを断る
見積もりの中に「付帯サービス」が含まれていたら、できるだけこれらの契約を断りましょう。
- 火災保険
- クリーニング系のサービス(ハウスクリーニング・室内消毒・抗菌加工)
- 24時間サポート
- 引越しサービス
- 回線契約サポート
こうした「付帯サービス」は、紹介した不動産会社がサービスを提供する事業者から報酬をもらえる仕組みになっています。
そのため、初期費用の一環として加入申し込みを勧められるのです。
借主は、こうした付帯サービスに必ず加入しなくてはいけないと法的に定められているわけではありません。
不動産会社側も「絶対に加入してください」とは言えません。
なので、付帯サービスは火災保険を除いてすべて契約しなくても構わないのです。
火災保険は法的な加入義務はなく任意とされています。ただ、基本的に賃貸借契約書に加入する旨が記載されているはずなので、実質的には借主には加入義務があります。
具体的にこれらの付帯サービスをどう断るかを見ていきましょう。
火災保険
火災保険は、「自分で安い火災保険会社を見つけます」と言って断る方法があります。
不動産会社が勧める火災保険と同等のサービス内容でもっと安い火災保険はいくらでもあるので、自分で最安の保険を見つけたほうがいいでしょう。
「住宅本舗」という無料一括見積もりサービスがあるので、そこで比較するのがおすすめです。
クリーニング系のサービス
クリーニング系のサービスには、「ハウスクリーニング代」と「室内消毒費」「抗菌加工費」などがあります。
入居時のハウスクリーニング代は、原則貸主側が払うべき費用です。借主が支払う必要はありません。
室内消毒や抗菌加工費は、本当に必要であれば入居後にみずから業者を手配して行えばいいので、不要です。
これらははっきりと「必要ありません」と言って断りましょう。
24時間サポート
「緊急時のサポート」や「コンシェルジュサービス」が含まれた「24時間サポート」に加入を勧められることもあります。
こうしたサービスも、必要であればあとで自分で選んだホームセキュリティに入ればいいので、不要です。加入しなくていいでしょう。
引越しサービス
入居者に対して引越し業者を紹介し、手配をサポートするサービスです。
提携している引越し業者を利用することで割引が適用されると紹介されるケースが多いですが、これも自分で引っ越し見積もりサービスを使って最安の引っ越し業者を選んだほうがいいので加入する必要はありません。
ただ、引っ越し業者選びをする時間がない緊急の引っ越しの場合に限っては、加入してもいいでしょう。
回線契約サポート
ネット回線やケーブルテレビの事業者を紹介する「回線契約サポート」が見積もりに入っているケースもあります。
ネット回線は自分で速度、料金を比較して優良な事業者を選ぶのがいいでしょう。
NURO光が無料で使える物件などでない限り、回線契約サポートは不要です。
STEP3|保証会社を最安に変更してもらう
つづいて、保証会社に支払う料金を減らせるか試してみましょう。
不動産会社は、いくつかの保証会社とつながりがあります。
そのため、頼めば契約時に選ばれた保証会社よりも保証料が安いところに変えてくれる可能性があるのです。
保証料(保証委託料)は、1ヶ月分の家賃の50%~100%と幅があります。
1か月分を丸々支払うような場合は、0.5カ月分に下げてもらえないか、頼んでみましょう。
保証会社を変えてもらう手順は次の通りです。
- 「もっと保証料の安い保証会社に変更は可能でしょうか?」と聞く
- 自身と保証人の勤務状況・勤続年数をアピール
これでうまくいけば保証料を下げられるでしょう。
STEP4|仲介手数料の値下げ交渉
仲介手数料は、家賃の1か月分(消費税は別途かかります)が上限と宅建業法で定められています。
なので、通常は1か月の家賃の金額分だけ仲介手数料を支払わないといけません。
ただし、例外があります。「自社管理物件」と「AD付物件」です。
自社管理物件
自社管理物件は、その不動産会社が管理しているため、そもそも仲介をしていません。
なので本来、仲介手数料はかからないのですが、指摘しないと手数料を引かれることもあります。
AD付き物件
AD付き物件とは、不動産会社が仲介手数料以外の報酬(広告料)を得られる物件です。
賃貸物件の図面の中に「AD」と表記があるものがこれに当たります。
- AD100(AD1):不動産会社が広告主から家賃1か月分の広告料をもらえる
- AD200(AD2):不動産会社が広告主から家賃2か月分の広告料をもらえる
AD付き物件は、貸主から広告料をもらえるので、借主からの手数料を減らしても不動産会社は片方から費用を受け取れます。
不動産会社の担当者に「自社管理物件かAD付物件はありますか?」と訊ねてみるといいでしょう。
こう聞かれたら、相手も「この人は仲介手数料を下げてほしいんだな」と察します。
うまくいけば、仲介手数料を半額か無料にできるでしょう。
STEP5|敷金・礼金、家賃の交渉
最後に賃料と敷金・礼金の交渉もしてみましょう。
賃料と敷金・礼金は、不動産会社の担当者が貸主(大家さん)に交渉します。
交渉をお願いする際は、次の2つを伝えるといいでしょう。
- 物件のデメリットをひとつ伝える
- いくら下げれば必ず契約すると伝える
まず、物件にどんなデメリットがあるかを洗い出して、いちばんの問題点を挙げます。
築年数が古い、駅から遠い、近くに小学校や幼稚園がある(環境的瑕疵)など、ひとつだけ問題を指摘し、そのために賃料は下げられないかという前提を作りましょう。
その上で、下げてほしい金額を具体的に伝え、下げてくれれば必ず契約する意思を示します。
こうすれば、貸主も交渉に応じやすくなるでしょう。
また、無理なら日割り分の家賃を一定期間無料(フリーレント)にしてもらう要望を出すのも手です。
礼金が2カ月の場合は「乗っけ」を疑いましょう。
本来は1カ月なのに、2カ月分に上乗せしているおそれがあります。
2カ月分の場合は1カ月に下げてもらう交渉をしてみましょう。
ここまで初期費用と家賃を安くする方法をお伝えしてきましたが、そもそも家賃が安く設定されている物件もあります。
そうした物件をこのあと、詳しくご紹介します。
そもそも家賃が安い物件を狙う5つの方法
そもそも家賃が安い物件も存在するので、それらを狙う方法もあります。
次の5つを上から順番に検討していくといいでしょう。
- フリーレントの物件を探す
- シェアハウスに住む
- 駅から少し離れた物件を探す
- 光熱費を貸主が負担してくれる物件を探す
- 移住者支援制度を利用する
詳しく見ていきましょう。
方法1|フリーレントの物件を探す
フリーレントとは、入居時に家賃が無料になる制度です。
新築マンションやリノベーション物件などでよく見られ、入居促進を目的としています。
通常は1ヶ月から2ヶ月程度の期間が設定されていて、この期間中は家賃を支払う必要がありません。
フリーレントの物件は、チャット型サービスを利用すると最短で探せます。
フリーレントの物件が見つかりやすいオススメのチャット型サービスは、「イエプラ」です。
「イエプラ」でチャットに対応するのはAIではなく専門のスタッフです。質問すると適切な答えが返ってきます。
登録は無料。スマホでLINEが使えれば、個人情報を入力することなく利用できます。
登録から利用までの手順をカンタンにお伝えします。
まず、イエプラ公式サイトにアクセスして「LINEでお部屋探しを始める」ボタンを押しましょう。
LINEアプリの画面に移るので、友達追加をしましょう。
PCの場合はQRコードが出ます。スマホで読み取ってください。
登録後に希望条件を入力する画面が出たら、情報を入力します。
すると、すぐに条件に合った物件がチャットで提案されます。
このチャットで「フリーレントの物件の募集はありませんか?」と質問しましょう。
専門スタッフが丁寧に回答してくれます。
公式サイトにも「お部屋探しに関することは、なんでも聞いてください」と書いてあるので、遠慮なく質問して大丈夫ですよ。
紹介してもらう物件が決まったら、担当スタッフと物件のある現地付近などで待ち合わせ、内見へと進みましょう。
深夜0時までチャットに対応していて、返信は1分以内に返ってきます。
登録は以下から3分程度でできるので、住みたい場所が決まったら登録して、さっそく探してみましょう。
方法2|シェアハウスに住む
シェアハウスに住むことも家賃を抑える方法としてオススメです。
シェアハウスなら、人気のエリアでも月3万円台で暮らせる物件がカンタンに見つかります。
といった至れり尽くせりの条件が揃っているのがシェアハウスのメリットです。
でもシェアハウスの場合、「合わない同居人がいたらどうするの?」と気になりますよね。
この問題を解決できるのが「クロスハウス」という会社の運営するシェアハウス「シェアドアパートメント」です。
「シェアドアパートメント」は最短1ヶ月単位で借りられるので、「同居人と相性が合わない」「別のタイプの部屋に住みたくなった」と思ったとき、住居を変えられます。
なので、安くかつ安心して生活ができますよ。
方法3|駅から少し離れた物件を探す
シェアハウスには絶対に住みたくないという場合は、駅から少し離れた物件を探すといいでしょう。
駅近の物件ほど家賃が高くなる傾向にあるので、駅から遠いほどアパート・マンションの賃料は下がります。
また考えようによっては、駅からの距離が離れていることはメリットにもなります。
健康的な生活ができると考えれば、「駅から遠い」はむしろプラスの条件です。
方法4|光熱費を貸主が負担してくれる物件を探す
3つ目の方法は、貸主が光熱費を全額負担してくれる物件を探して契約すること。
家賃は安くならなくても、生活費が安くなるのでトータルではお得に暮らせます。
方法5|移住者支援制度を利用する
移住者支援制度を利用することで、タダもしくは格安で住居に住めます。
移住者支援制度とは、人口減少を食い止めるために地方自治体が提供している移住者のためのサービスです。
具体的には、空き家バンクを利用して空き家に入居することや、一定期間住むと家が無償で譲渡される支援などがあります。
例えば、宮城県七ヶ宿町では、新築一戸建てに20年間賃料を支払って住むと、その家が所有できる「地域担い手支援住宅」制度を実施しています。
また、地域おこし協力隊として活動することでも、住居費を抑えることができます。
地域おこし協力隊は、地方自治体が地域活性化のために、観光案内や地域イベントの運営など、地域の活動をサポートします。
協力隊として活動すると、住居費の支援が受けられることが多く、実質タダで住むこともできます。
これらの制度を利用することで、マンションに住む費用を大幅に節約することが可能です。
ただし、適用には一定の条件があるため、条件をクリアしないと支援を受けられません。
賃貸物件を安く借りる方法 まとめ
今回は、「賃貸物件の初期費用と家賃を安くするコツ」を5ステップでお伝えしました。
カンタンにおさらいしましょう。
- 申し込む前に見積もりをもらう
- 付帯サービスを断る
- 保証会社を最安に変更してもらう
- 仲介手数料の値下げ交渉
- 敷金・礼金、家賃の交渉
- フリーレントの物件を探す
- シェアハウスに住む
- 駅から少し離れた物件を探す
- 光熱費を貸主が負担してくれる物件を探す
- 移住者支援制度を利用する
この記事を参考にして、新生活をお得にスタートできたら何よりです!